ヨーロッパの歴史風景 中世編




西暦1342年、アンジュー家のラヨシュ1世(大王)がハンガリー王に即位した。


ハンガリー王国のアールパード家が断絶

ハンガリーといえば、かつてヨーロッパに脅威を与えたマジャール人の国だよね。遊牧系のマジャール人は、現在のハンガリーを占領した後も遊牧的な生活を送っていたんだけど、やがて定住生活に入り、キリスト教を受け入れてハンガリー王国を建国した。

アールパード家の初代ハンガリー王となった聖イシュトヴァーン その初代国王が、アールパード家の聖イシュトヴァーンだったんだ。(右の画像はハンガリーの首都ブダペストにある聖イシュトヴァーン大聖堂で見ることの出来る聖イシュトヴァーン王の像。)

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ところが、西暦1301年にアールパード家出身のハンガリー王アンドラーシュ3世が亡くなり、由緒あるアールパード家が断絶してしまった。

ハンガリー王位は、ボヘミア王家たるプシェミスル家のヴァーツラフ3世や、バイエルンを本拠とするヴィッテルスバッハ家のオットーなどによって継承された。ところが、ハンガリー各地に割拠する大貴族はよそ者の王の権威を認めず、誰も王位を確実にはできなかったんだ。

ナポリの支配者アンジュー家出身のカーロイ1世

そこへ登場してきたのが、イタリア南部カンパーニャ地方にあるナポリを支配していたアンジュー家出身のカロベルト。彼は西暦1308年にハンガリー王カーロイ1世として即位したわけだ。

ついでながら、下の画像は、ナポリにあるサンタ・キアーラ教会の様子。14世紀の初頭にナポリのアンジュー家によって建立された教会。(その裏には有名なクラリッセの回廊(キオストロ)があるよ。)

イタリア南部ナポリにあるサンタ・キアーラ教会 イタリア南部ナポリにあるサンタ・キアーラ教会 イタリア南部ナポリにあるサンタ・キアーラ教会 イタリア南部ナポリにあるサンタ・キアーラ教会

アンジュー家出身のカーロイ1世も、ハンガリー国内の大貴族には手を焼いた。しかし、西暦1312年にはハンガリー北東部の大貴族アマデー家を撃ち破り、その後も各地の大貴族を抑えつけていったらしい。その結果、西暦1320年代にはハンガリー王国全土に権力を及ぼすことができるようになったらしい。

王権を確立したハンガリー王カーロイ1世は、西暦1335年にルクセンブルク家出身のボヘミア王ヨハン(後の神聖ローマ皇帝カール4世の父)とポーランド王カジミェシュを招き、争っていた両者を和解させた上に、ハンガリー・ボヘミア・ポーランドによる同盟を結成した。その目的は、オーストリアを拠点に勢力を挽回しようとしていたハプスブルク家を包囲することだったんだ。

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ラヨシュ1世(大王)登場

西暦1342年、ハンガリー王国にアンジュー家の王権を確立したカーロイ1世が亡くなり、その息子のラヨシュ1世(大王)が即位した。

父のカーロイ1世から王権と財産を継承したラヨシュ1世は、繰り返し外征を行い、ハンガリー王国の領土を拡大したころから、「大王」とも称されるようになったんだ。しかも、西暦1370年には、カジミェシュ王の死に伴ってポーランドの王位まで獲得している。

しかし、西暦1375年にはハンガリー王ラヨシュ1世にとって最大の危機が訪れた。次第にヨーロッパに勢力を拡大していたオスマン・トルコが、初めてハンガリー領トランシルヴァニア地方(現在はルーマニア領)に侵入してきたんだ。(下の画像は現在のルーマニア領トランシルヴァニア地方の風景。)

かつてハンガリー領だったトランシルヴァニア地方(今はルーマニア領)の風景

しかし、ハンガリー王ラヨシュ1世(大王)はオスマン・トルコ軍を撃ち破り、トランシルヴァニア地方を奪還することができたんだ。

そして西暦1382年、大王と称されたハンガリー王ラヨシュ1世が亡くなった。彼には王位を伝える男子継承者がなく、ハンガリーはルクセンブルク家の皇帝カール4世の息子ジギスムントと結婚していた次女のマーリアが、ポーランドはリトアニア大公ヤゲウォと結婚していた三女ヘドヴィグが継承することとなった。



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