ナポレオンとロシアとの対立西暦1809年にオーストリアを撃ち破り、西暦1810年にはハプスブルク家の皇女マリー・ルイーズと再婚したフランス皇帝ナポレオンにとって、残る敵はイギリスだけだった。ところが、表面的には友好関係を維持していたロシアも、フランス皇帝ナポレオンに対して反発を強めていた。一つにはナポレオンの大陸封鎖令が、ロシアを経済的に苦しめていたことがあったんだね。 加えて、ロシアにとって我慢ならないことが続いた。ロシアの宿敵オスマン・トルコに関しては、フランスが仲介してロシアに有利な結果をもたらすことが約束されていたのに、ナポレオンはその約束を守らなかったんだ。 また、ロシアの隣にワルシャワ大公国を成立させた。しかも、ロシア皇室の親戚筋に当たるドイツ諸侯の領土をナポレオンが奪ったりもした。 こうして、ついに堪忍袋の緒が切れたロシアは、西暦1812年4月にフランスに対して最後通牒を突きつけたんだ。もちろん、皇帝ナポレオンがロシアの要求を呑むはずもなく、ロシアとフランスとの間の戦争は避けられなくなったわけだ。(下の画像はロシアの古都サンクト・ペテルブルクにあるエルミタージュ宮殿[今は美術館]だね。)
フランス皇帝ナポレオンのモスクワ遠征ロシアの挑戦を受けて立ったフランス皇帝ナポレオンは、フランスに限らずヨーロッパ各国から軍を集め、総勢50万もの大軍を率いてロシアに進撃して行った。しかし、対するロシア軍はひたすら撤退するばかり。しかも、村々に火を放ちながら撤退したものだから、ナポレオンの大軍は食料を徴発することもできなかった。
ところが、覚悟の上の撤退とはいえ、後退するばかりのロシア軍の士気も次第に低下していったんだ。やむなくロシア軍が後退を止めてフランス軍に向かい合ったのが、モスクワの南西120kmのところにあるボロディノだった。ついにナポレオン軍と戦いを交えたロシア軍の指揮官はクトゥーゾフ将軍(右の画像)。西暦1805年のアウステルリッツの会戦でナポレオンの戦略にしてやられたロシアの将軍だね。 ところが、やっぱり相手はナポレオン。母国ロシアの土地でもクトゥーゾフ将軍はナポレオンに勝つことはできなかったんだ。そこで再びロシア軍は撤退焦土作戦を続行し始めたというわけだ。 ボロディノの戦いから一週間後の西暦1811年9月14日、ついにナポレオンはモスクワに入城を果たすことができた。ところが、ロシア軍はモスクワの街に火を放って退却していたために、フランス軍はモスクワで宿舎とすべき建物も食料も手に入れることができなかったんだ。 ナポレオンのロシアからの撤退
モスクワに入ったナポレオンは、ロシア皇帝アレクサンドル1世に和平を持ちかけた。ところが、アレクサンドル1世は和平提案に応じようとはしなかった。かといって、戦いを以って雌雄を決することもしない。ナポレオンはモスクワで待ち続けた。ところがロシアに冬が近づいていた。衣服も食料も足りない。西暦1812年10月19日、とうとうナポレオン軍はモスクワからの退却を始めたんだ。 ロシアから退却するナポレオン軍に襲いかかったのは、ロシア軍、コサックのゲリラ部隊、物資不足、そして冬将軍だった。 ロシアから退却を始めて1ヵ月半が経った西暦1812年12月5日、フランス皇帝ナポレオンは軍をミュラ元帥に委ねてパリへと向かった。残された軍のうちでロシアを脱出することができたのは、たったの2万人だと言われている。出陣したときには50万人の大軍だったんだけどね。 ロシアの英雄となったクトゥーゾフ将軍と
アウステルリッツの会戦での屈辱を晴らしたロシアのクトゥーゾフ将軍は、ナポレオンのモスクワ遠征の翌年の西暦1813年に亡くなっている。でも、サンクト・ペテルブルクのカザン寺院の前にロシアの英雄となったクトゥーゾフ将軍の像が立っているんだ。 |
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関連リンク旅行記 「サンクト・ペテルブルグの旅(ロシア)」(ピョートル大帝、エカテリーナ女帝、ロシア革命) |
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