|
|
|
|
|
|
|
西暦 1834年、ローマ法王の命により、聖ヨハネ騎士団の本部がローマに移された。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
スペイン広場へと続くコンドッティ通り (ローマ、イタリア)
イタリアの首都ローマで歩いてみたい場所といえば、まずはオードリー・ヘップバーンの映画「ローマの休日」に登場する広場や通りだろうか。その一つがスペイン階段だよね。
そのスペイン階段の下にあるスペイン広場に続いているのがコンドッティ通り(右の画像)。いつも多くの観光客が歩いているコンドッティ通りには、プラダ・グッチ・フェラガモなどの有名ブランドの店が並んでいる。
そのコンドッティ通りのビルの角に、気になる石版を見つけたんだ。(右の画像の左端、中央より少し上に写っているんだけど、見えるかな。)
コンドッティ通りの気になる石版
右上の画像に写っていた石版を大きく撮影したのが、右の画像なんだけど見えるかな。
画像の中で文字板の上に写っているのは八角十字。聖ヨハネ騎士団のマークだよね。また、文字板の下のほうに MDCXXXI とあるのは、西暦1631年を示している。
実は、この建物は西暦1631年に建てられた聖ヨハネ騎士団のローマ大使館だったんだ。そして今は聖ヨハネ騎士団の本部として使われている。
聖ヨハネ騎士団といえば、かつてはロードス島に本拠を置き、そこがスレイマン大帝のオスマン・トルコによって奪われた後はマルタ島に本拠を置いていたよね。ところが、そのマルタ島をナポレオンによって追い出されて後、このローマに本拠を移していたんだ。
ナポレオンに屈服した聖ヨハネ騎士団
西暦1798年6月10日、ナポレオン率いるフランスのエジプト遠征軍が、聖ヨハネ騎士団の本拠地となっていたマルタ島に上陸し、島の大部分を占領した。その二日後にはナポレオンが首都のヴァレッタに入場し、聖ヨハネ騎士団は本拠地を失ったわけだ。
実はイギリス海軍のネルソン提督の艦隊が救援のためにマルタへ向かっていた。しかも、ナポレオンに対してフランス政府はある指示を出していた。仮に聖ヨハネ騎士団が抵抗しエジプト遠征に支障が出るようならばマルタ島攻略を放棄するようにという指示だったんだ。
つまり、もし聖ヨハネ騎士団が激しく抵抗していたら、彼らはマルタ島を守ることが出来たかもしれなかったんだね。歴史に「もし」は禁物だというけれども...。
その後の聖ヨハネ騎士団は、騎士団長の地位をロシア皇帝に委ねるなど、なんとかマルタ島回復の道を探ろうとしていたんだ。しかし、西暦1800年にマルタ島を占領したイギリスに対して、西暦1814年のパリ条約はマルタ島の領有権を認めてしまった。もうマルタ島に戻ることは不可能に近くなったわけだ。
流浪の聖ヨハネ騎士団
西暦1818年には、ハプスブルク家のオーストリアが聖ヨハネ騎士団に救いの手を伸ばしてきた...かに見えた。イタリア近くにあるエルバ島を、聖ヨハネ騎士団の新しい本拠地に提供しようというんだ。
でも、老練の政治家メッテルニヒが、そんな美味い話を持ってくるはずもない。エルバ島の提供には条件が付いていた。ハプスブルク家の出身者を聖ヨハネ騎士団の騎士団長にしろというんだ。つまり、聖ヨハネ騎士団をハプスブルク家の支配下に置こうというわけだ。もちろん、提案は拒絶された。
西暦1823年には、オスマン・トルコに対して独立戦争を戦っていたギリシャと聖ヨハネ騎士団との間で条約が締結された。聖ヨハネ騎士団がギリシャに対して軍事的な支援を行う代わりに、独立後のギリシャはロードス島を聖ヨハネ騎士団に引き渡すというもの。
ところが、当時の騎士団長アントニオ・ブスカが消極的だった上に、フランス政府の妨害などもあり、このギリシャへの支援は実行されなかったんだ。
こうして、マルタ島を追い出されてから30年以上が無為のうちにすぎていった。その間に各国にあった聖ヨハネ騎士団の組織は崩壊し、財産も失われていったんだ。
聖ヨハネ騎士団の本部がローマへ移転
西暦1834年、ローマ法王グレゴリオ16世によって、新しい騎士団長にカルロ・カンディダが任命された。同時に、聖ヨハネ騎士団の本部をローマにある聖ヨハネ騎士団の古い大使館へ移すようにと、ローマ法王は命じた。
右の画像は、コンドッティ通りにある建物の中にある現在の聖ヨハネ騎士団の様子。鉄の門扉が閉まっていて中には入れず、扉の隙間から撮影した画像なんだけどね。
聖ヨハネ騎士団の建物の店子はエルメス
再びコンドッティ通りに面して立つ聖ヨハネ騎士団の本部の建物(下の画像)を見てみよう。建物の角の店に入っているのは、なんとエルメスだった。さぞかし家賃収入は良いだろうねえ。大きなお世話だけど。
Copyright (c) 2002 Tadaaki Kikuyama
All rights reserved
このサイトの画像 及び 文章などの複写・転用はご遠慮ください。
|