イギリスの田園風景と牧畜イギリスに農業や牧畜が伝えられたのは紀元前5000年頃のこと考えられているんだ。その後、栄枯盛衰は世の習いなんだけど、世界に先駆けて産業革命の起こったイギリスの農業は全体的には衰退していると考えても良いんだろうね。ところが、少なくとも牧畜だけはイギリスでも重要な産業として続いているんだ。だから、イギリスの田舎を旅すると、下の画像のような田園風景を目にすることができる。(下の画像は、ウェールズ北部を旅したときに、列車の中から見たイングランド北部の田園風景。)
イギリスで狂牛病が大流行ところが、西暦1986年に狂牛病の発生がイギリスで確認されたんだ。狂牛病というのは、牛の脳がスポンジ状となり、立つことさえもできなくなって、やがては死んでしまう病気のこと。その後、1992年には狂牛病が大流行し、3万7千頭の牛が狂牛病にかかっていることが確認されたわけだ。当然ながら、イギリスの牧畜は大打撃を受けた。というのも、牛の狂牛病が人間に感染し、クロイツフェルト・ヤコブ病になるかもしれないと心配されたからね。 ヨーロッパ諸国はイギリス産の牛肉の輸入を禁止した。対して、イギリスでは狂牛病の発生から現在までに500万頭近い牛が処分されたんだそうな。 |
狂牛病の源はヒツジの病気スクレイピー ??狂牛病の源は、はっきりと確認されてはいないんだけど、スクレイピーという病気じゃないかともいわれているんだ。スクレイピーというのは、ヒツジや山羊がかかる流行性海綿状脳症のこと。症状は狂牛病に似ているらしい。ヨーロッパでは、ヒツジの病気スクレイピーが18世紀の半ばから確認されている。しかも、イギリスなどのヨーロッパ諸国では、食肉を取った後のヒツジを処理して、肉骨粉を作り、それを牛などの家畜に与えていたんだ。その骨肉粉を介して、ヒツジのスクレイピーが牛に感染したんじゃないかというわけだ。(下の画像は、ウェールズ北部で飼育されたいるヒツジ。)
狂牛病とオイル・ショック更に、狂牛病は1970年代のオイル・ショックとも関係あるとする説もある。骨肉粉を作る際には、高熱で処理を行うんだけど、オイル・ショックの際には燃料代が高騰した。骨肉粉を作る業者は、骨肉粉の熱処理の温度を下げ、しかも処理時間も短くした。その結果、ヒツジのスクレイピーの病原体が破壊されず、牛に感染することとなったというわけだ。その後、ゆっくりゆっくりと時間をかけて、多くの牛に狂牛病が広がって行ったのかな。(ちなみに、1988年に骨肉粉を家畜に飼料として与えることが禁じられている。) 沈静化してきたイギリスの狂牛病政府が本腰を入れて対策を講じてきた結果、イギリスの狂牛病は下火になりつつあるみたい。といっても、まだまだ完全に狂牛病が駆逐されたわけじゃないんだ。イギリスならではののどかな田園風景を安心して眺めることができるように、あるいは安心してイギリスを旅行し暮らすことができるように、狂牛病が完全に駆逐されることを望むね。(下の画像は、イギリスの首都ロンドンにもほど近い、コッツウォルズの田園風景と牛。)
ところで、私はどうなる ??私はロンドンで7年余りを過ごして日本に帰国したんだけど、実は献血の出来ない身体になってしまった。いや、クロイツフェルト・ヤコブ病にかかったわけじゃないんだ。でも、1980年から1996年の間に半年以上イギリスに滞在した人間は献血をしてはいけないというルールが日本にはあるらしい。(同様のルールはアメリカ、カナダ、スイス、ドイツ、オーストラリア、ニュージーランドなどでも導入されているという話も聞く。) つまり、率直に言えば、狂牛病に感染しているかもしれない・・・と考えられているんだろうね。現在の医療技術では、人間が狂牛病に感染しているかどうかをチェックすることができないらしいから。しかも、人間の場合のクロイツフェルト・ヤコブ病の潜伏期間は10年とか15年とかの長期にわたるんだそうな。 確かに私はイギリスで牛肉をよく食べたよ。ハンバーガーも好きだったし、ステーキも好きだからね。15年くらい経つと発病する可能性がないわけじゃない。でも、私の心配は、狂牛病が発病したときに「ちょっと早い痴呆症」と誤診されることなんだけどねえ。 (念のために書いておくけど、筋肉には狂牛病の原因となるような物質は含まれてはいないらしい。問題なのは骨髄などなんだそうな。その点、誤解のないように。)
関連書籍参考になる・・・かもしれない本を探してみました。
All rights reserved このサイトの画像 及び 文章などの複写・転用はご遠慮ください。
|