ヨーロッパの歴史風景 先史・古代編




紀元前100年頃、今のロンドンを流れるテムズ川で、ケルト人が宗教的儀式を行っていた。(イギリス)


今のイギリスの首都ロンドン付近に住んでいたケルト人

私の机に乗っているマクミランのエンサイクロペディアによれば、今のイギリスの首都ロンドンの街を築いたのは、今のイタリアの首都ローマから発して地中海そしてヨーロッパに覇権を広げた古代ローマ帝国の人々ということになっている。たぶん、それが公式的あるいは学術的に確認された事実なんだろうね。

でも、それまで今のロンドン付近に人々が住んでいなかったかといえば、そうではない。たぶん、ケルト系の人々が住んでいたんだ。ロンドンを流れるテムズ川の川底からは、古代ケルト系の人々が儀式に使ったと思われる遺物がいくつも発見されているからね。

古代ケルト人の角付きヘルメット

例えば、下の画像にあるのは、古代ケルト人が宗教的な儀式に使ったと考えられている角付きヘルメット(鉄腕アトムに似てるね)。紀元前100年頃のものらしい。

ロンドンを流れるテムズ川で見つかった古代ケルト人のヘルメット(大英博物館所蔵)

古代世界では、角は髪の象徴としての意味を持っていたらしいよ。薄い板に加工された青銅で出来ているから、とても戦闘用には使えなかったみたい。だから、儀式用と考えられているわけだ。

ロンドンを流れるテムズ川の川底で1860年代に見つかったこの角付きヘルメットは、ロンドンの大英博物館古代ケルト関連の展示の中に見ることが出来るよ。

古代ケルト人のバタシー・シールド(盾)

上のヘルメットと同じく古代ケルト人の遺物にしてロンドンを流れるテムズ川で発見されたのが、下の画像にあるバタシー・シールド(盾)なんだ。

イギリスの首都ロンドンの大英博物館で見た古代ケルト人のバタシー・シールド

このバタシー・シールドもロンドンの大英博物館で見ることができる。紀元前1世紀のものと考えられているんだけど、紀元前3世紀まで遡ると主張する学者もいるんだそうな。ウィタム・シールドと同様にラ・テーヌ文化を継承しているらしい。

ロンドンを流れるテムズ川(イギリス)

ついでだけど、下の画像は現在のロンドンを流れるテムズ川の様子。ロンドンにしては珍しく見事な青空が広がっていて、まるでロンドンじゃないみたいだけどね。(下の画像はロンドンにあるタワー・ブリッジから撮影。)

イギリスの首都ロンドンのタワー・ブリッジから眺めたテムズ川

しかし、このテムズ川なんだけど、川底にはまだまだ様々な歴史の遺物が沈んでいるんだろうね。これからもまだ色々な発見があるんだろうな。今後が楽しみだね。

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