ヨーロッパの歴史風景 先史・古代編




紀元前 474年、シシリアに住むギリシャ人がエトルリア人を撃ち破り、ネアポリス(今のナポリ)を築いた。


新しい街(ネアポリス)と名づけられた古代ナポリ

紀元前474年、イタリア南部の島シシリアのシラクサを拠点とするギリシャ艦隊が、クマエの海戦においてエトルリアの艦隊を撃ち破り、今のナポリの街の起源となる新しい街(ネアポリス)を築いた。

その後、ネアポリス(ナポリ)の街は古代ローマによって占領されている。でも、ナポリが完全にローマ化されることはなかった。今でもナポリの方言には、ギリシャ語の痕跡が残っているとも言われるらしい。

ついでの話なんだけど、イタリアのピザを代表するピッツァ・マルゲリータを考案したのはナポリのピッツェリア「ブランディ」だったとも言われるんだけど、ナポリはイタリアのピザの本場だよね。その「ピザ」という呼び名の語源も古代ギリシャ語だとする説もあるみたい。

そんな古代ギリシャ人によって築かれたナポリ(ネアポリス)の街には、あちこちに古代遺跡も残っているんだ。例えば、下の画像は古代の建物の壁の一部と階段なんだけど、地下を歩いて見ることが出来る。

イタリア南部カンパーニャ地方の街ナポリの地下に残る古代の建物の壁の一部と階段

ちなみに、古代遺跡を見て歩くナポリ地下探検(ソッテラネア)という現地のガイド・ツアーもある。古代遺跡に興味があれば、参加するのも良いかも。但し、ガイドは英語かイタリア語だったけどね。

ナポリ大聖堂(ドゥオモ)の地下に残る古代遺跡

ヨーロッパ最古の洗礼堂がある(と言われる)ナポリ大聖堂(ドゥオモ)の地下でも、古代遺跡を見ることが出来る。

イタリア南部カンパーニャ地方の街ナポリの大聖堂(ドゥオモ)の地下に残る古代遺跡

それが上の画像なんだ。これはナポリ・ソッテラネア(地下探検)に参加しなくても、大聖堂の地下を歩けば見ることが出来るよ。

クラリッセのキオストロ(回廊)の美術館で見た古代遺跡

ナポリにあるサンタ・キアーラ修道院の奥にあるクラリッセのキオストロ(回廊)の美術館でも、下の画像のような古代遺跡を見ることが出来る。

イタリア南部カンパーニャ地方の街ナポリのサンタ・キアーラ修道院の奥のクラリッセのキオストロ(回廊)の美術館で見た古代遺跡

この古代遺跡はともかくながら、マヨルカ焼きに飾られた中庭の見事なクラリッセのキオストロ(回廊)は、ナポリでもお勧めのスポットなんだ。それを見るついでに美術館に入って古代遺跡を見れば良いかも。

ナポリの教会を飾る古代の円柱

そんなこんなでナポリのあちこちの地下に残る古代遺跡をご紹介したんだけど、古代の遺物は地下にばかりあるわけじゃないよ。実は地下とは逆に高いところにある古代の遺物も見ることが出来る。

イタリア南部カンパーニャ地方の街ナポリのサン・パオロ・マッジョーレ教会の正面ファサードを飾る古代の円柱

それが上の画像。ナポリ市内にあるサン・パオロ・マッジョーレ教会の正面ファサードを飾る古代の円柱なんだ。イタリアには古代の円柱を流用した建物は少なくないよね。例えばサレルノにある大聖堂(ドゥオモ)とかね。

でも、古代の資材を流用したのはキリスト教徒ばかりじゃない。イスラム教徒も同様のことをしているんだ。例えば、スペイン南部アンダルシア地方古都コルドバに残るメスキータ(イスラム教徒時代に建てられたモスク)の円柱の森には、古代ローマ帝国時代や西ゴート王国時代の建物の円柱が無数に使われているらしい。

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