ヨーロッパの歴史風景 近代・現代編




西暦 1793年1月21日、革命フランスで元国王ルイ16世が処刑された。同じ年の10月16日、元王妃マリー・アントワネットが処刑された。


フランスの首都パリのコンコルド広場

フランスの首都パリへ行ったならば、あっちでもこっちでも記念撮影したくなるよね。自分が絵になるかどうかは別として(そんなの気にしちゃいかん)、絵になる場所がたくさんあるからね。

下の画像は私にとってのそんな一枚かな。シャンゼリゼ通りからテュイルリー公園(かつてのテュイルリー宮殿の庭園)に向かう途中のコンコルド広場での一枚。青空は広がっているし、観覧車もある。広場にはオベリスクも立っている。当然の記念撮影だよね。(背後に立っているオベリスクは、エジプトルクソール神殿から運ばれたものなんだそうな。)

フランスの首都パリのコンコルド広場はフランス王ルイ16世と王妃マリー・アントワネットが処刑された場所

でもね、この場所、西暦1789年にフランス革命が始まってしばらくは、「革命広場」と呼ばれていたらしい。それ以前は「ルイ15世広場」だったんだけどね。今の「コンコルド広場」と呼ばれるようになったのは、西暦1795年からのことなんだそうな。

そしてここが「革命広場」だった西暦1793年1月、ブルボン家のフランス王ルイ16世がここで処刑されたんだ。実を言えば、上の画像を撮影した時の私は、この広場がそんな場所だとは知らなかったんだけど。

王妃マリー・アントワネットの礼拝堂

夫を失った王妃マリー・アントワネットは、パリのシテ島にあるコンシェルジュリーに移された。ノートルダム大聖堂サント・シャペルからも近いよね。このコンシェルジュリー、かつてはフランス王家の王宮だったけど、14世紀からは刑務所として使われていた。つまり、王妃マリー・アントワネットは刑務所に入れられたというわけだ。

フランスの首都パリのシテ島のコンシェルジュリーにある王妃マリー・アントワネットの礼拝堂

上の画像はそのパリのコンシェルジュリーの中にある王妃マリー・アントワネットの礼拝堂。彼女が入れられていた独房があった場所に革命後に作られたものなんだそうな。(余談ながら、このコンシェルジュリーは有料で借りることも出来るとか。フランス政府は国有財産を活用して歳入の増加を図っているんだそうな。)

そしてフランス王ルイ16世が処刑されて9ヵ月後、つまり西暦1793年10月、王妃マリー・アントワネットも処刑されたんだ。夫が処刑されたコンコルド広場(当時は革命広場)で。

フランス王夫妻を処刑した西暦1793年、革命フランスは更に急進的になっていったみたい。その動きは対外的にも現われているんだ。例えば、この年、フランス革命軍はコート・ダジュールのモナコ公国を占領している。モナコ公国に大公家が復帰したのは皇帝ナポレオンの没落の後だった。

フランス王ルイ16世と王妃マリー・アントワネットのその後

フランス王ルイ16世も王妃マリー・アントワネットも処刑の後はマドレーヌ墓地に埋葬されたんだそうな。でも、フランス皇帝ナポレオンが敗れ、ルイ18世による王政復古の後に、パリ郊外のサン・ドニ大聖堂にあらためて埋葬されたらしい。

フランスの首都パリの郊外のサン・ドニ大聖堂にあるフランス王ルイ16世と王妃マリー・アントワネットの像

上の画像は、そのサン・ドニ大聖堂にあるフランス王ルイ16世と王妃マリー・アントワネットの像(慰霊碑)なんだ。

ちなみに、フランス革命の後にギロチンで処刑される人々のデスマスクを作る仕事をさせられている女性がいた。彼女は処刑されたフランス王ルイ16世や王妃マリー・アントワネットのデスマスクをも作らされたらしい。その女性こそは、後にイギリスの首都ロンドンに渡り、あのマダム・タッソー蝋人形館をオープンしたマダム・タッソーだった。

フランスの王政復古の後に

上にも書いたけど、王政復古の後にサン・ドニ大聖堂に葬られた二人。その墓はサン・ドニ大聖堂の地下のクリプトにある。下の画像がフランス王ルイ16世と王妃マリー・アントワネットの墓の様子だ。

フランスの首都パリの郊外のサン・ドニ大聖堂の地下のクリプトにあるフランス王ルイ16世と王妃マリー・アントワネットの墓

ちなみに、西暦1793年の国民公会でルイ16世の裁判が行われ、賛成多数で処刑が決まったんだ。そして処刑に賛成した人々のうちで王政復古の後も生きながらえていた人々は、追放処分となったんだそうな。

王家の復讐と言えば、清教徒革命の後のイギリスの王政復古で王となったチャールズ2世は、ロンドンウェストミンスター寺院に埋葬されていたクロムウェルの遺骸を掘り出し、タイバーンの処刑場(今のマーブル・アーチの場所にあった)であらためて処刑したらしい。復讐にはなかなか怖ろしいものがあるよね。

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