ヨーロッパの歴史風景 中世編




西暦1194年、神聖ローマ帝国皇帝ハインリヒ6世が、イタリア南部カンパーニャ地方の街サレルノを攻略。


結婚で大帝国を築ける...とは限らない

永く神聖ローマ帝国の皇帝位を維持したヨーロッパの名門中の名門であるハプスブルク家は、結婚によって大帝国を築いたと言われるよね。

ところが、必ずしも結婚によって常に領土を拡大することが出来るとは限らないんだ。その典型例がイタリア南部のカンパーニャ地方の街サレルノで起こっている。西暦1076年には領主の妹と結婚したノルマン人ロベール・ギスカールによって征服されている。つまり、結婚によって土地を奪われた経験があるんだ。

でも、更に興味深いことに、そのロベール・ギスカールの子孫たちによって支配されていたサレルノは、次の12世紀にも結婚によって征服されるということを繰り返している。

神聖ローマ帝国皇帝ハインリヒ6世と
ロベール・ギスカールの子孫コスタンツァ

西暦1184年、ロベール・ギスカールの子孫にしてノルマン王家の女相続人であるコスタンツァが、神聖ローマ帝国皇帝ハインリヒ6世と結婚した。

それから10年が経った西暦1194年、神聖ローマ帝国皇帝ハインリヒ6世は、妻の領地であるイタリア南部に兵を進めた。ところが、皇帝の支配を嫌うサレルノは、城門を閉ざして抵抗したんだ。

でも、相手は神聖ローマ帝国の大軍だ。結局はサレルノの街は守りを破られ、神聖ローマ帝国軍の兵士たちに劫略されてしまったんだ。

サレルノ旧市街にある大聖堂(ドゥオモ)

サレルノの街を荒らしまわった神聖ローマ帝国軍の兵士たちが、お宝が集まっていそうなサレルノ大聖堂(ドゥオモ)を見逃すはずがないよね。

皇后コスタンツァの祖先たち、ノルマン王家の人々やノルマン貴族たちが建てたサレルノ大聖堂(ドゥオモ)は兵士たちに襲われて荒れ果ててしまった。その修復には数十年がかかったんだそうな。(下の画像は、現在のサレルノ大聖堂の内部、正面祭壇、説教壇の様子。)

イタリア南部カンパーニャ地方にあるサレルノ大聖堂(ドゥオモ)の内部、正面祭壇、説教壇

その後のサレルノ大聖堂(ドゥオモ)

数十年かけて再建されたサレルノ大聖堂なんだけど、どうも運に見放されている。西暦1688年には、サレルノを襲った大地震によって大きな損害を被ったんだそうな。

その後、サレルノ大聖堂(ドゥオモ)は再び修復され、おかげで私たちはノルマン王家・貴族たちの栄華を辿ることができるんだけどね。




イタリア南部カンパーニャ地方の街サレルノ

ところで、このサレルノという街。イタリアの首都ローマから南に下れば、イタリア南部の中心都市ナポリがある。そこから更に南に下れば、このページの舞台となるサレルノの街に辿り着く。

下の画像はサレルノの街の夜景。昼間は人々が思い思いに楽しんでいる砂浜は暗闇に覆われ、街の灯りは海に輝いている。街頭の並ぶ海岸通り ルンゴマーレの向こうにある近代的な街の夜景が見えるかな。

イタリア南部カンパーニャ地方にあるサレルノの街の夜景

サレルノの旧市街にあるメルカンティ通り

イタリア南部カンパーニャ地方の街サレルノの旧市街にあるメルカンティ通り サレルノの街の海に面した近代的な街並みから山に向かって歩けば、旧市街に出る。右の画像はサレルノ旧市街の中心にあるメルカンティ通り。ここにはヨーロッパで最古の医学校も博物館として残されている。

表通りとは違って、地元の人々が気軽な格好で歩く場所。更に路地に入れば、アパートの二階のテラスから洗濯物が見下ろしている。

ノルマン人が建て、神聖ローマ帝国軍の兵士たちによって破壊されたサレルノ大聖堂(ドゥオモ)は、このメルカンティ通りの近く、サレルノ旧市街の中にある。サレルノを訪れる機会があれば、是非とも旧市街を散歩してみてね。

【参考】都市別ツアー検索


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関連書籍

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関連リンク

旅行記 「カンパーニャとローマ・ヴァティカン(イタリア)」
「第一部 アマルフィ編」
「第ニ部 パエストゥム・サレルノ編」
「第三部 ナポリ編」



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