ヨーロッパの歴史風景 中世編




西暦1076年、イタリア南部カンパーニャ地方の街サレルノが、ノルマン人ロベール・ギスカールに征服された。


イタリア南部カンパーニャ地方の街サレルノ

サレルノの街.....といっても、それがイタリアの何処にあるのか、すぐに頭に浮かぶ人は少ないよね。

イタリア南部カンパーニャ地方略図 というわけで、まずは右の略図を見てくれるかな。右はイタリア南部カンパーニャ地方の略図。サレルノは、イタリアの首都ローマの南にあるナポリの更に南にある街なんだ。

その西には中世海洋都市の面影を残すアマルフィがあり、他方で南には古代ギリシャ時代の神殿の並ぶパエストゥムがある。サレルノはカンパーニャ地方南部の観光拠点でもあるかな。

現在の平和なサレルノ

そして下の画像は現在の平和なサレルノの海辺。長く続く砂浜は、日本の「イモの子を洗う」海水浴場とは全く違っている。砂浜の向こうにはサレルノの人々や観光客が散歩を楽しむ海岸通り ルンゴマーレも見えているね。

平和なサレルノの海辺(カンパーニャ地方、イタリア)

そんな平和なサレルノは、古代ローマ時代からの歴史を誇る古い街でもあるんだ。そして、その長い歴史の中で、サレルノが戦乱に巻き込まれたことが何度も有った。というのが、このページの主題なんだけど、前置きがずいぶんと長くなっちゃった。

ノルマンの英雄ロベール・ギスカールによる
サレルノ征服

西暦476年の西ローマ帝国崩壊後、サレルノの街はゲルマン系ランゴバルド族(ロンバルディア族)の支配下に落ちていた。そのランゴバルド系のサレルノ公ジスルフォ2世の妹と結婚したのが、当時のイタリア南部に勢力を拡大していたフレンチ・ノルマン系のロベール・ギスカールだった。

そのノルマン人ロベール・ギスカール、英雄ではあるけれども、悪名も高い。隙を見せた義理の兄であるジスルフォ2世の領地であるサレルノを征服しちゃった。それが西暦1076年のこと。ローマ教皇グレゴリウス7世はロベール・ギスカールによるサレルノ攻略を非難し、彼と対立した。

ところが、ローマ教皇の背後には別の敵である神聖ローマ帝国皇帝ハインリヒ4世が迫る。天国の鍵を持ちながらも現実主義者であるローマ教皇グレゴリウス7世は、もう一人の敵であるロベール・ギスカールと和解しちゃった。




ロベール・ギスカールによる
サレルノ大聖堂(ドゥオモ)建設

ローマ教皇とロベール・ギスカールが和解した西暦1080年、ちょうどタイミング良く(あるいは、とっても都合良く)、聖マタイの遺骸が発見された。ローマ教皇はロベール・ギスカールに勧めて、聖マタイの遺骸を祀る聖堂を建設させた。それがサレルノ大聖堂(ドゥオモ)だったのさ。

もちろん、その後のサレルノ大聖堂は破壊され、修復され、あるいは改築され、当時の姿そのままではない。それでも、下の画像にある大聖堂の前庭などには、シシリアを支配して彼の地のアラブ・イスラム風の文化を好んだノルマン貴族たちの趣味が残っているよね。

サレルノのドゥオモのアラブ・イスラム風の前庭(カンパーニャ地方、イタリア)

サレルノ大聖堂(ドゥオモ)には、上の画像にあるアラブ・イスラム風の前庭だけじゃなく、他にも見るべき点があるんだ。例えば、ライオンの像がある門、内部にある豪華な説教壇モザイク画地下のクリプトと聖マタイの墓...など。アマルフィやパエストゥムに行く機会があれば、ちょっとサレルノに立ち寄ってみたらどうかな。

【参考】国別ツアー検索


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関連書籍

参考になる・・・かもしれない本を探してみました。



関連リンク

旅行記 「カンパーニャとローマ・ヴァティカン(イタリア)」
「第一部 アマルフィ編」
「第ニ部 パエストゥム・サレルノ編」



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