ヨーロッパの歴史風景 中世編




西暦1283年、イングランド王エドワード1世がウェールズ北部でカーナフォン城、コンウィ城を築き始めた。(イギリス)


ロンドンからウェールズに向かう途中で見るコンウィ城

イギリスの首都ロンドンを列車で出発し、ウェールズ北部に向かえば、イングランドからウェールズに入って間もなく車窓から見ることができるのが、下の画像にあるコンウィ城だね。

ウェールズ北部にイングランド王エドワード1世が築いたコンウィ城(イギリス)

このコンウィ城は、イングランド王エドワード1世が西暦1283年に築城を始めたものだった。(ちなみに、後にエドワード1世はスコットランドにも侵攻している。)

カーナフォン城はコンウィ城の更に奥

ロンドンを出て上のコンウィ城の脇を通過し、やがて列車をバンガー(バンゴール)駅で降りる。そこから更に西へ(ウェールズ北部の奥へ)行けば、カーナフォンだ。

ウェールズ北部にイングランド王エドワード1世が築いたカーナフォン城とセイオント川(イギリス)

上の画像は、カーナフォンの街を流れるセイオント川のほとりにあるカーナフォン城なんだけど、この城もイングランド王エドワード1世が西暦1283年に築き始めたものだった。

繰り返されたウェールズのケルト人の反乱

ウェールズ土着のケルト系貴族にしてウェールズ大公のルウェリン・アプ・グリフィズは、エドワード1世の父のヘンリー3世の頃にも何度か反乱を起こしていた。その際にはイングランド王の宗主権の下に入ることを条件にウェールズ大公という称号を認められたんだそうな。

そして西暦1277年、再度のウェールズ大公ルウェリン・アプ・グリフィズの反乱だった。しかし、イングランド王エドワード1世の遠征において、ウェールズ大公は孤立し、結局のところは完全に屈服することになってしまった。

ところが、ウェールズ大公ルウェリン・アプ・グリフィズはまたもや反乱を起こす。しかし、西暦1282年にはルウェリンは戦死している。それでも、ルウェリンの弟たちが反乱を続けたんだそうな。

そんなこんなでイングランド王エドワード1世も、ウェールズの土着のケルト人たちを支配するのに苦労していた。そんなわけで、西暦1283年にウェールズ北部にコンウィ城やカーナフォン城を築き始めたんだそうな。

ちかみに、コンウィ城もカーナフォン城も、古代ローマ帝国の城砦があった場所だった。例えばカーナフォンは、古代ローマ帝国のブリタニア総督アグリコラが築いた街セゴンティウムの跡地だった。アグリコラがそこにセゴンティウムを築いた理由は、イングランド北西部の街チェスターとの海路での補給が容易だったことだった。エドワード1世のカーナフォン城築城の理由も同じだったらしいよ。

強化されたカーナフォン城の防備

西暦1283年に始まったカーナフォン城の築城工事は、数年間でかなり進捗していた。ところが、西暦1294年にはまたもやウェールズ北部のケルト人たちが反乱を起こした。そしてまだ完成していなかったカーナフォン城の城壁をケルト人たちが乗り越え、城内に火を放ったんだそうな。

ウェールズ北部にイングランド王エドワード1世が築いたカーナフォン城の城内(イギリス)

そんなわけでまたもやウェールズに遠征してきたイングランド王エドワード1世は、カーナフォン城の防備を更に強化したんだそうな。そんなウェールズ北部の要衝カーナフォン城の城内の様子が上の画像だ。

イングランド王エドワード1世とカーナフォンの街

エドワード1世は、そうやってカーナフォン城を築いたんだけど、彼は城壁の中に市民たちの区画も設けたらしい。征服したウェールズ北部の経営の為に、イングランドの商人たちのカーナフォンの街への移住をエドワード1世は進めたらしい。

ウェールズ北部にイングランド王エドワード1世が築いたカーナフォン城から眺めたカーナフォンの街(イギリス)

そんなカーナフォンの街を城から眺めたのが上の画像。700年以上も前にイングランド王エドワード1世も、上の画像のような眺めを目にしたかもしれないね。

しかし、イングランド王エドワード1世は、ウェールズ統治のために更に苦労している。彼の息子(エドワード2世)がこのカーナフォン城でプリンス・オブ・ウェールズとされたのは、まだ先のことになるんだ。

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