ヨーロッパの歴史風景 近世編




西暦1565年、イタリアの古都フィレンツェを流れるアルノ川にかかるヴェッキオ橋にヴァザーリの廊下が完成。


フィレンツェを流れるアルノ川とヴェッキオ橋

イタリアの古都フィレンツェといえば、ルネサンス華やかなりし時代のイタリアを代表する都市だよね。ところが、その歴史を遡れば、古代ローマ帝国の植民地だったんだって。南北イタリアを結ぶ街道と水運の盛んなアルノ川の交差した地点に築かれた街だったわけだ。

そんなフィレンツェの歴史のシンボルとも言えるのが、観光名所の一つ伴っているヴェッキオ橋かな。下の画像はヴェッキオ橋の上からアルノ川を眺めたところ。ウフィツィ美術館花の聖母マリア大聖堂(ドゥオモ)などのある北岸は左側、ピッティ宮殿(その中にパラティナ美術館がある)のある南岸は右側に見えている。

イタリアの古都フィレンツェのヴェッキオ橋の上から眺めるアルノ川

アルノ川の洪水で流されたヴェッキオ橋

といっても、今のヴェッキオ橋が古代ローマ時代のものというわけじゃないんだ。西暦1333年に起こったアルノ川の洪水で、昔のヴェッキオ橋は流されちゃったんだ。今のヴェッキオ橋はその後で再建されたものなんだって。

ちなみに、上の画像ではおだやかに見えるアルノ川なんだけど、しばしば洪水を起こしている。西暦1966年にも大洪水を起こし、フィレンツェ市内には何メートルもの水に覆われた場所もあったらしい。フィレンツェ市内のサンタ・クローチェ教会にあるチマブエの「十字架上のキリスト像」もその時の洪水で被害を蒙ったんだそうな。

貴金属店の輝きがまぶしいヴェッキオ橋

イタリアの古都フィレンツェを流れるヴェッキオ橋の上の貴金属店 次に右の画像を見て欲しいな。これは、夕方のヴェッキオ橋の上の様子を写したもの。箸の上に並ぶ店のショー・ウィンドウがキラキラ輝いているのがわかるかな。

ヴェッキオ橋の上をわたる道の左右には、たくさんの貴金属店が並んでいるんだ。お値段はちょっと高めだけど、モノは良いらしいよ。但し、デザインがモダンかどうかは知らないけど。

ところで、今でこそ貴金属店あるいは宝飾品店が並ぶヴェッキオ橋なんだけど、昔は肉屋さんや革製品の店が並んでいたんだって。ところが、西暦1593年に当時のトスカナ大公フェルディナンド1世(初代トスカナ大公コジモ1世の息子)の命令で貴金属店ばかりに入れ替えさせちゃったらしい。

ヴェッキオ橋の上のヴァザーリの廊下

もう一度上のヴェッキオ橋の上の画像を見てくれるかな。貴金属店の上を白壁に囲まれた廊下がわたっているのがわかるよね。これが所謂「ヴァザーリの廊下」なんだ。

上の画像じゃわかり難い ?? じゃあ、もう一つ下の画像をお見せしちゃおう。下の画像はヴェッキオ橋の北のたもとにあるホテルの屋上から撮影したヴェッキオ橋。これならば「ヴァザーリの廊下」がよくわかるでしょ。

イタリアの古都フィレンツェを流れるアルノ川にかかるヴェッキオ橋を上から眺める イタリアの古都フィレンツェを流れるアルノ川にかかるヴェッキオ橋を上から眺める イタリアの古都フィレンツェを流れるアルノ川にかかるヴェッキオ橋を上から眺める イタリアの古都フィレンツェを流れるアルノ川にかかるヴェッキオ橋を上から眺める

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トスカナ大公コジモ1世とヴァザーリ

ヴェッキオ橋の上に「ヴァザーリの廊下」が完成したのは西暦1565年のこと。聖ヨハネ騎士団の本拠地マルタ島をオスマン・トルコの大軍が攻撃した年のこと。聖ヨハネ騎士団の騎士たちが異教徒相手に戦いを続けていたときに、花の都フィレンツェではこんなことが行われていたわけだ。

ちなみにヴァザーリの廊下を作らせたのは、メディチ家兄脈からフィレンツェとトスカナ地方での権力を受け継いだメディチ家弟脈出身の初代トスカナ大公コジモ1世。反メディチ派をはじめとする反対勢力を抱えていたコジモ1世は、暗殺を怖れていたらしい。そのためにアルノ川南岸のピッティ宮殿から北岸のウフィツィ美術館やヴェッキオ宮殿まで安全に行くことの出来る廊下を必要としたんだそうな。

他方でこの廊下を完成させたのは、当時の著名な建築家ヴァザーリ。但し、ヴァザーリは現代ではルネサンス期の芸術家列伝の著者として有名になっているんだって。



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