ヨーロッパの歴史風景 先史・古代編




紀元前330年頃、古代ギリシャの彫刻家リュシッポスが競技者アポクシュオメノス(拭う者)像を制作した。


彫刻家リュシッポスによる競技者アポクシュオメノス(拭う者)像

イタリアの首都ローマヴァティカン美術館・博物館の中にはいくつもの美術館があるんだけど、その一つであるピオ・クレメンティーノ美術館は多くの古代彫刻の傑作を展示している。そんな古代彫刻の一つが下の画像にある競技者アポクシュオメノス(拭う者)の像かな。

イタリアの首都ローマのヴァティカン美術館・博物館のピオ・クレメンティーノ美術館にある古代ギリシャの彫刻家リュシッポスの競技者アポクシュオメノス(拭う者)像

但し、この競技者アポクシュオメノス像はオリジナルじゃない。コピーなんだそうな。といっても、古代ローマ帝国時代の西暦1世紀に作られたコピーだというから、立派な年代物のコピーだよね。このコピーは西暦1849年にローマで発掘されたらしいよ。

では、この競技者アポクシュオメノス像のオリジナルなんだけど、古代ギリシャ時代の彫刻家であるリュシッポスによって紀元前330年頃(320年頃とする資料もある)に制作されたとされている。

ナポリ国立考古学博物館にあるファルネーゼのヘラクレス

古代ギリシャ時代を代表する彫刻家とされるリュシッポスの作品(コピー)は、ナポリ国立考古学博物館でも見ることが出来る。それが下の画像にあるファルネーゼのヘラクレス像なんだ。これもコピーなんだけどね。

イタリアのナポリ国立考古学博物館にある古代ギリシャの彫刻家リュシッポスによるファルネーゼのヘラクレス像

ついでながら、このナポリの国立考古学博物館にはアレクサンダー大王のモザイクもあるね。実はリュシッポスは彫刻家としてアレクサンダー大王に仕えていたらしい。彼が制作したアレクサンダー大王像のコピーが、フランスの首都パリルーブル美術館にあるんだそうな。

ヴェネツィアのサン・マルコ寺院にあるリュシッポスの馬

そんなこんなで古代ギリシャの彫刻家リュシッポスの作品はいくつも残されているんだけど、その中でも最もドラマティックな物語を持つのが下の画像にある馬たちかな。

イタリアのヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂にある古代ギリシャの彫刻家リュシッポスによる馬の像

上の画像の馬たちは、今はヴェネツィアサン・マルコ大聖堂(寺院)を飾っている。元々はローマにあったとか。やがて古代ローマ帝国の皇帝コンスタンティヌスが築いた新しい首都コンスタンティノープルに移された。ところが西暦1204年にヴェネツィアも参加した第4回十字軍がコンスタンティノープルを占領し、その際に馬たちはヴェネツィアに運ばれてきたんだそうな。

でも、リュシッポスの馬たちの旅はまだ終わらなかった。西暦1797年にヴェネツィアを屈服させたナポレオンがこの四頭の馬の像を持ち帰った。そして西暦1815年、ナポレオンが没落し、四頭の馬たちはヴェネツィアに戻ってきたというわけだ。

彫刻家リュシッポスの弟子

彫刻家リュシッポスは作品を残しただけじゃなかった。古代ギリシャ時代に名を知られた弟子も残している。その代表がエーゲ海に浮かぶロードス島のカレスかな。

ギリシャのロードス島にあるマンドラキ港の風景

カレスはロードス島で太陽神ヘリオスの像を制作したらしい。世界の七不思議の一つともされるロードス島の太陽神ヘリオスの像は、上の画像にあるマンドラキ港に立っていたとされている。

ついでながら、このロードス島はかつて聖ヨハネ騎士団の本拠だった。でも、西暦1522年にオスマン・トルコ軍がロードス島に侵攻し、やがて騎士団はマルタ島に移ったわけだ。但し、エジプト遠征に向かうナポレオンにマルタ島を奪われ、今の聖ヨハネ騎士団の本部はローマにある。リュシッポスが制作したヴェネツィアの馬たちは後に帰ることが出来たけど、騎士団たちはナポレオン没落後もマルタ島に戻れなかったわけだ。

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