ヨーロッパの歴史風景 近世編




西暦1610年、殺人犯として追われていたイタリア・バロックの画家カラヴァッジョが、ローマの近くで亡くなった。


イタリア・バロックの画家カラバッジョ

西暦1571年、カラバッジョが生まれた。幼くして両親と死に別れた彼は、15歳頃にイタリアの首都ローマへ出てきたんだ。そこで才能を見出された彼は、やがてイタリア・バロックの寵児として宗教画に新しい世界を切り拓いていったわけだ。

カラバッジョの「馬丁たちの聖母(蛇の聖母)」

カラヴァッジョのローマ美術界での名声がピークに達したのは西暦1606年だったかもしれない。というのも、彼の描いた「馬丁たちの聖母(蛇の聖母)」(下の画像)が、ヴァティカンのサン・ピエトロ大聖堂の祭壇に飾られたんだ。

カラヴァッジョによる「馬丁たちの聖母(蛇の聖母)」(ボルゲーゼ美術館、ローマ、イタリア) カラヴァッジョによる「馬丁たちの聖母(蛇の聖母)」(ボルゲーゼ美術館、ローマ、イタリア)

ところが、その名声も長くは続かない。彼の「馬丁たちの聖母」は、ほんの一ヶ月ほどでサン・ピエトロ大聖堂の祭壇からはずされてしまった。絵に品格がない、聖母に関する伝統的な表現方法に反している、という理由からなんだそうな。

殺人犯として追われるカラバッジョ

常に問題を起こし続けていたカラバッジョなんだけど、ついに大変なことをしでかしてしまった。喧嘩の果てに人を殺してしまったんだ。

殺人犯として追われたカラバッジョは、ナポリ、シシリア、マルタなどを逃げ回っていた。しかし、アウトサイダーのカラバッジョも、逃亡生活に疲れてしまったんだろうか。ローマ教皇に恩赦を嘆願したんだ。

カラバッジョの「ゴリアテの首を持つダヴィデ」

恩赦の嘆願をするなんてアウトサイダーのカラヴァッジョらしくない !! と思うかもしれないね。でも、そこはさすがにイタリア・バロック美術を代表する画家カラバッジョなんだ。

彼がローマ教皇庁に送ったのは下の画像にある絵「ゴリアテの首を持つダヴィデ」。絵の中でダヴィデが左手にぶら下げている首は、カラバッジョの自画像なんだそうな。

カラヴァッジョによる「ゴリアテの首を持つダヴィデ」(ボルゲーゼ美術館、ローマ、イタリア) カラヴァッジョによる「ゴリアテの首を持つダヴィデ」(ボルゲーゼ美術館、ローマ、イタリア)

イタリア・バロック美術を代表する作品を送って恩赦を願った甲斐があり、ローマ教皇庁からは恩赦が許された。ところが、その知らせが届いた時、カラヴァッジョはローマ近くで亡くなっていたんだ。西暦1610年のことだった。




カラヴァッジョの作品とボルゲーゼ美術館

余談ながら上に挙げたカラヴァッジョの作品二点は、ローマのボルゲーゼ公園の中にあるイタリア・バロック美術の宝庫ボルゲーゼ美術館で見ることが出来るよ。

ボルゲーゼ美術館では、このページで紹介した二点以外のカラヴァッジョの作品もあるし、同じくイタリア・バロックの代表者ベルニーニの作品も見ることが出来るんだ。

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