ヨーロッパの歴史風景 先史・古代編




紀元前 43年、古代ローマ帝国がガリア(フランス)にルグドゥヌム(リヨン)の街を建設した。


ガリア(フランス)にルグドゥヌム(リヨン)の街が建設された

紀元前600年頃にフランス南部プロヴァンス地方港町マルセイユに定住した古代ギリシャ人たちの求めに応じてガリア(フランス)に入った古代ローマ帝国は、そのマルセイユ近くにエクサン・プロヴァンス(エクス)の街を建設したんだ。

そこからガリア(フランス)に勢力を広げた古代ローマ帝国は、ローヌ川を遡り、そのほとりにルグドゥヌム(リヨン)の街を建設した。それが紀元前43年のことだった。

フランス第2の都市リヨンに残る古代ローマ帝国時代の遺跡

上の画像は、そのリヨンに残る古代ローマ帝国時代の神殿などの遺跡の様子なんだ。フルヴィエールの丘で見ることができる。そのフルヴィエールの丘には、ガロ・ローマ博物館もあるよ。

ルグドゥヌム(リヨン)に残る古代ローマ帝国時代の劇場跡

そして紀元前15年、初代皇帝アウグストゥス治下の古代ローマ帝国によって、リヨンのフルヴィエールの丘に劇場が建てられた。その劇場の直径は 90メートルだったらしい。

フランス第2の都市リヨンに残る古代ローマ帝国時代の劇場跡

そして2世紀頃には、このルグドゥヌムの劇場が改築され、直径 108メートルに拡張された。収容人員 10,000人という大きな劇場(上の画像はその遺跡)になったらしい。これほど大きな劇場は、ローマフォロ・ロマーノに残るものを除いては少ないんだそうな。

属州ガリア・ルグドゥネンシスの中心都市ルグドゥヌム(リヨン)

そんなルグドゥヌム(リヨン)の街を中心として、古代ローマ帝国は属州ガリア・ルグドゥネンシスを経営したんだそうな。そこからソーヌ川を北上し、ブルゴーニュ地方にも勢力を広げていった。

フランスのブルゴーニュ地方のグラン・クリュ・ワインの村ジュヴレ・シャンベルタンのブドウ畑

フランスを代表するワインの産地ブルゴーニュ地方では、古代ローマ帝国の時代にブドウ畑が作られていったんだそうな。(上の画像はブルゴーニュを代表するグラン・クリュのワイン村ジュヴレ・シャンベルタンの広々としたブドウ畑の風景。)

更には、中世ブルゴーニュ公国の首都となった古都ディジョンも、古代ローマ帝国が築いた街から発展したらしい。

ルグドゥヌム(リヨン)と皇帝クラウディウスやカラカラ

そんな属州ガリア・ルグドゥネンシスの中心都市ルグドゥヌム(リヨン)からは、古代ローマ帝国の皇帝も生まれている。

紀元前10年にルグドゥヌム(リヨン)で生まれたのが、後の古代ローマ帝国皇帝クラウディウスだった。彼は西暦43年にブリタニア(イギリス)に遠征し、ロンディニウム(今のイギリスの首都ロンドン)を建設している。

西暦188年にルグドゥヌム(リヨン)で生まれたのが、後の古代ローマ帝国皇帝カラカラだった。彼は父の皇帝セプティミウス・セウェルスと共にハドリアヌスの長城(城壁)を越えて今のスコットランドに遠征し、ピクト人と戦っている。その後、古代ローマ帝国の都市エボラクム(今のイギリス北部の街ヨーク)で父が亡くなった後に皇帝となったわけだ。(やがてローマにカラカラ浴場を残した。)

でも、その頃が古代ローマ帝国の最盛期だった。やがて西暦437年にはフン族に敗れたブルグント族がルグドゥヌム(リヨン)に定住し、西暦461年にはルグドゥヌム(リヨン)がブルグント王国の首都となるわけだ。

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