ヨーロッパの歴史風景 近世編




西暦1656年、バロックの巨匠ジャン・ロレンツォ・ベルニーニが、イタリアのローマでサン・ピエトロ広場の建設工事に着手した。


多くの人々が集まる
サン・ピエトロ大聖堂とサン・ピエトロ広場

ローマのサン・ピエトロ広場に集まる人々 西暦2002年6月16日、イタリアの首都ローマにいた私はテレビの画面(右の画像)を見て驚いた。なんとも多くの人々が、サン・ピエトロ大聖堂とサン・ピエトロ広場に集まっているんだ。

何事が起こったのかと思えば、20世紀のイタリアの奇跡の人 パドレ・ピオ(ピオ神父)が聖人の列に加えられるというので、そのためのミサに人々が集まっていたらしい。

もちろん、この日の主役はパドレ・ピオ(ピオ神父)であり、ローマ法王なんだろうね。でも、その舞台となったのは、サン・ピエトロ大聖堂の前にあるサン・ピエトロ広場だよね。

サン・ピエトロ広場と
バロック美術の巨匠ベルニーニ

西暦1656年、当時のローマ法王アレクサンデル7世によって、サン・ピエトロ大聖堂前にあるサン・ピエトロ広場を整備すべしという布告が出された。それを受けてサン・ピエトロ広場を設計したのが、当時のローマを席巻していたバロック美術の巨匠ジャン・ロレンツォ・ベルニーニだったんだ。

彼に与えられた命題の一つは、「なるべく多くの人々を収容する広場を作ること」。そりゃ、当然だよね。上に書いたパドレ・ピオの列聖の場合もそうだけど、何かあれば多くの人々が集まる場所なんだから。

そして、ベルニーニは広場を取り囲むように列柱廊(下の画像)を作ったわけだ。

ヴァティカンにあるサン・ピエトロ広場にあるベルニーニの列柱廊(ローマ、イタリア)

そんなサン・ピエトロ広場と列柱廊に関して、設計者ベルニーニの言葉が残っている。

サン・ピエトロ広場と列柱廊に関する
設計者ベルニーニの言葉

サン・ピエトロ大聖堂は、全ての教会の母である。カトリック教徒の信仰を固める為に、異端の人々を教会に復帰させる為に、異教の人々を真の信仰に目覚めさせる為に、母のように両腕を広げて受け入れることを表現した柱廊が適している。

サン・ピエトロ大聖堂とサン・ピエトロ広場の列柱廊

ベルニーニは、サン・ピエトロ広場の設計に際して、ちょっとした工夫をしている。それは、左右の列柱廊の高さを低く抑えることだった。

そんな工夫にどんな意味があるのか ?? つまりは、左右の列柱廊の高さを抑えることで、中心にあるサン・ピエトロ大聖堂がより大きく見えるという効果を期待したわけだ。

左右に列柱廊を従えたサン・ピエトロ大聖堂の画像が下にあるんだけど、どうかな ?? 大聖堂が大きく立派に見えているかな ??

ヴァティカンにあるサン・ピエトロ広場にあるベルニーニの列柱廊とサン・ピエトロ大聖堂(ローマ、イタリア)




ローマ法王アレクサンデル7世と
バロックの巨匠ベルニーニ

サン・ピエトロ広場を作らせたローマ法王アレクサンデル7世とバロックの巨匠ベルニーニは、法王が即位する前から親密な関係にあったんだ。

そんなわけで、ベルニーニはアレクサンデル7世の為に彫像なども制作している。ローマのサンタ・マリア・デル・ポポロ教会の中に、キージ家(法王アレクサンデル7世の生家)の礼拝堂があるんだけど、そこではベルニーニの彫像「預言者ダニエル」や「ハバクク」などを見ることが出来るよ。

サン・ピエトロ大聖堂に見る
ベルニーニのバロック美術

大事なことを忘れていた。サン・ピエトロ大聖堂に入ったら、その中にあるベルニーニの作品を見ないとね。

サン・ピエトロ大聖堂の中にはベルニーニの「ブロンズのバルダッキオ(天蓋)」「カテドラ・ペトリ(聖ペトロの司教座)」などもあるんだ。どちらもベルニーニのイタリア・バロック美術を代表する作品だよ。

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